株式会社うるとらはまいデザイン事務所 代表取締役
浜井 弘治
1964年 山口県下関市出身
「うるとらはまいデザイン事務所」について
下関にてトラのように売る古豪
やっていることはこれまで話してきたので、屋号の話ですかね。
私のデザイナーとしての変遷は、みやしんのあとに三宅デザイン事務所があって、そのあとに友人と一緒になって立ち上げた「浜井ファクトリー」があります。これは工場の視点を大事にしたかったので、つけた名前ですね。
そこから一人でやっていくことになって、じゃあ屋号はどうしようとなってときに、こう「新浜井」みたいなニュアンスが欲しいなと思いまして。
私は商品の開発が得意でして、それをバリバリ売っていきたい。寅年なんですが、それにちなんでトラのように売ってお金にしたい。「うるとら」。まあ、ダジャレみたいなもんです(笑)。
「トラ」って「凄い」のようなニュアンスもありますし、モノづくりの中でもファッションってイメージ戦略がつきものじゃないですか。
攻めの姿勢といったところです。
最後に、地元下関に対する想いや今後の展望などを教えてください
最近、下関は本当に凄いところだなと感じています。
地形的には三つの海に囲まれていて水産加工業が盛んです。戦前は大陸の拠点でもありました。
文化的なところで言いますと、下関市立美術館の収蔵品に実業家の河村幸次郎が寄贈した河村コレクションというのがありまして、狩野芳崖、藤田嗣治、梅原龍三郎、香月泰男、高島北海らの作品が多くあります。
これは戦前に下関が栄えて、財界に優れた方が存在した証でもあり、素晴らしいですね。
余談ですが、私は藤田嗣治作品が特に好きでして、下関市立美術館には収蔵品が多く、時おり足を運んでいます。
こう話してみると、世界に向かって情報発信できるものが、いくつもあるように思います。
そういった下関の地場にある文化や歴史と共存して、何か新しいことができれば、という思いは常にあります。
実際に暮らしていると「本当に見習いたい」「ひれ伏すものがたくさんある」そういったことを肌で感じますし、そこにファッションを織り交ぜていければと考えています。
2017年12月7日 インタビュー/2018年2月19日 撮影
うるとらはまいデザイン事務所にて。
Interview _河東実(101DESIGN)
Photography_大林直行(101DESIGN)
Direction & Editing_土屋 GET DOWN(101DESIGN)