『屋上の音楽』主催, 株式会社 Roller`s hight!! 代表取締役
コヤナギシンジ
1971年 福岡県出身
Q. 最後に、今後「屋上の音楽」でやりたいことを聞かせてください。
A. 一緒にプロダクトする仲間と好きなことをやって生きていけることを証明したい。
――「屋上の音楽」でやっていきたいことなどあれば。
やりたいこととは少しずれるかもしれんけど、どんな職業であっても、目の前のお客さんとか、一緒にプロダクトする仲間とか、そういった人たちを大事にしていけば、好きなことをやって、ちゃんと食べていけることを証明したい。
もう何十年も前だけど、親に言われた「服とか音楽とかで食べていけるとね?」ってことって今でも頭に残ってて、でも結局、関わる人をとにかく大事にしていけば、何とかなる。
――それは経験として思われることでしょうか。
そうね。福岡在住で特出した才能を持った人は多くないかもしれないけど、頑張ろうとしている人たちが協力し、時間を掛け合えれば、良いプロダクトができると信じてる。
もちろんプロダクトが速いのは東京だよ。何度か東京の尖がった連中と仕事のやり取りをしたけど、とにかく速い。彼らは勉強もしてるし、スキルが特に高い人たちは仕事に追われてるのもあるから、早く終わらせるのが得意。
――私の記憶がある限りですが、よく一緒に演奏されているLittle Creaturesのドラマー栗原さん(栗原務 *3)でしょうか。ベースだとTOKIEさん(*4)とも演奏されていましたよね。
そうそう。数日かかることが、スタジオに入って「もうできたの?」ってぐらい簡単に終わる。一回弾いたら終わり。すべて考えられているから、彼らは。
もちろんクオリティも高いから、できれば彼らの協力をもらいながら、そこに福岡のミュージシャンを交えて、ライブなり作品なりを作っていければと思ってる。
――「協力」という在り方は先の広がりが見えますね。それにしても第一線で活躍されている方々です。追い付くのはなかなかに難しそうです。
さすがに今の福岡にそこを求めてはいなくて、「時間をかけたこと」でしか出せない音楽やバンドの空気が作れればいいと思ってる。それを一生懸命、頑張ろうとしている仲間とプロダクトしていきたい。
ここ何年で東京のミュージシャンが福岡へどんどん移住してきて、みんな、いい仕事をしている。あれは東京ブランドが強いんじゃなくて、単純に才能があって、技術的にも優れていると思ってる。マキ(永山マキ *5)とかイシイくん(イシイタカユキ *6)とかそうやんね。
――まさに福岡のミュージシャンの底上げが必要ですね。私も含め、頑張らんと。
そう。練習あるのみよ。
そもそも俺もヘタクソなんで。頑張るしかない。マジメにやっていればイイことがあるって。
――ですね。頑張ろう。本日はありがとうございました。
おう、こちらこそありがとう。
2017年10月16日 雨の屋上にて。
※注釈解説
(*3) 栗原務 ドラマー。LITTLE CREATURESのドラムなどで活動。その他サポート活動多数。
(*4) TOKIE ベーシスト。UA、LOSALIOS、RIZE、など多くのバンドで活動。
(*5) 永山マキ 福岡在住のシンガー。iima、モダーン今夜などで活動。
(*6) イシイタカユキ 福岡在住のギタリスト。iima、モダーン今夜などで活動。
[MV] カラフル/コヤナギシンジ – SongTravelerDiary#012
※SongTravelerDiary – 「屋上」で行われている実験セッションの一つ。
Interview & Direction, Editing_土屋 GET DOWN(101DESIGN)
Photography_大林直行(101DESIGN)