株式会社グッデイ 代表取締役社長
柳瀬 隆志
1976年 福岡県・飯塚市出身
1976年福岡生まれ。2000年東京大学経済学部卒業後、三井物産株式会社に入社。2008年嘉穂無線株式会社へ入社、2009年社長室長、2010年に営業本部長を歴任したのち、2011年には株式会社イーケイジャパンの代表取締役社長に就任。2013年、嘉穂無線株式会社代表取締役副社長を経て、2016年に株式会社グッデイ(嘉穂無線株式会社より社名変更)の代表取締役社長に就任。現在に至る。
Feel the roots, "Introduction".
福岡県をはじめ北部九州を中心にホームセンターを展開する株式会社グッデイ。
近年、同社は、主要店舗内にものづくりを体験できる工作スペースの設置を進めている。
“モノを売る”という従来のホームセンターから、“ライフスタイルを提案する” 体験型のホームセンターへと生まれ変わろうとしている。
商社マンを経て昨年社長に就任したばかりの柳瀬隆志さんにお話を聞かせてもらった。
Karnel 編集部
Interview
「グッデイならできる〜♪」CMに代表されるグッデイならではのブランディングについて
実は職人より女性の顧客が多かった
2009年のTVCMシリーズ「グッデイならできる♪」の企画・制作に関わらせていただきました。
本当に個人的意見だったのですが、ゆるいテイストのCMが好きで、極力商売っ気を感じさせない、柔らかいイメージの曲やCM制作をお願いしましたね。
とにかく、ゆるく、頭に残るメッセージを発信したかったんです。
実はグッデイって3、40代女性をターゲットにしているんですよ。
私は2008年に入社したのですが、職人にお客さんがほとんどいなかったことに驚きました。
7、8割は職人が占めていると踏んでいたのですが、実際は2、3割程度でした。
不思議に思い、改めて各コーナーの人気度を調査してみると、実は園芸が人気だったんです。
完全な先入観でしたね。
春の園芸シーズンだと行列ができるほどの賑わいでした。工具に肩を並べる人気のコンテンツがあった、というわけです。
そう言った経緯から、工具に加えて園芸のコーナーに力を入れ始めました。
どうにか新規顧客を取り込みたいという狙いから、3、40代の女性をターゲットとしましたが、園芸には「DIY(Do It Yourself)」が付きものですが、その特色をチラシなどで伝えるのは大変難しく、試行錯誤を繰り返しましたね。
そもそも「DIY」という言葉自体が浸透していなかったんです。なので「DIY」と銘打っても、意味そのものがなかなか伝わらない。
そこで、CMでのアピールを思いつきました。
しかも「DIY」という言葉を使わずに興味を持ってもらうことを目指そうと考えました。
そうしてできたのが「グッデイならできる〜♪」のCMでした。
結果的に浸透し、ターゲット層にも印象に残るCMとなりましたね。
「キッズクリエイティブ研究所」や「ファブラボ」の可能性
「キッズクリエイティブ研究所」はNPO法人CANVASさんとの共同プロジェクトになります。
最近、情報はインターネットで簡単に入手することができますが、どうしても頭でっかちになってしまい、実際の体験をする機会が普段の生活の中で少なくなってきています。
その反動か、ワークショップやキャンプなどの体験型イベントに対する子供たちの関心は高く、主催する我々が驚くほどの集客があります。
ちなみに昨年8月に開催した「ワークショップコレクション福岡」は約二万人の来場がありました。
子供たちは色々と説明されても分からないんですよね。やってみないと分からない。「子供の理科離れ」と言われていますが、実際のワークショップでは、材料さえ渡せば子供たちは自分たちで想像し、勝手に遊びはじめます。
やらなくなった訳ではないんですよね。環境がないんです。
昔はデパートの屋上やおもちゃ売り場で遊ぶ場所とかありましたけど、今はなくなってしまいましたよね。
自分で何でも作れるんだという「体験できる場」が大切なんだと思います。
「ファブラボ」に関してもそうなのですが、ホームセンターっていう枠組みでやるよりも、「はみ出た」ことをやった方が面白いんじゃないかと思ったんですよ。
最初は「ホームセンターのイメージを壊したらダメなんじゃないか」と躊躇してしまっていたのですが、実際やってみたあとの反応をみて、その考えはなくなりました。
とにかく楽しそうなんです。
ファブラボのスタッフたちのポジティブさも相乗効果になってますし、なんでも「やればできるんだ」という素晴らしさを子供たちに伝えていけたら良いと思います。
ユニークな企画やアイデアが満載のグッデイが秘める今後の展開
えっ? 海外進出? いえいえ、、まだまだそんな……(笑)。
「海外」で思い出しましたが、ホームセンターと聞くと今や日本では当たり前の存在になっていますよね。
ですが実際、他の国には家具屋やディスカウントストアはあっても、グッデイのようなホームセンターってないんですよ。
グッデイには工具や植物の知識が豊富な社員が大勢いますし、そういった意味では海外も視野に入れていきたいですね。
そうそう、ユニークな企画といえば、今度、店頭イベントで包丁研ぎをやるんですよ。
いまだからこそ「きっかけ」作りとして、アナログなことをやってみたいと思ったんです。
単なるホームセンターの一つとして存在するのではなく、社員一人ひとりが持つ知識や経験を生かしたい。
そういったことを店頭でのワークショップなどでお客様に伝えていき、DIYに興味を持つ「きっかけ」となるホームセンターを目指したいですね。
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幼少時代のこと、子供たちに残したいこと。
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