about  “It’s Tough Being a Man – 男はつらいよ”:

山口出身のスタイリスト部坂尚吾がお届けする、ファッションコラム。

ファッションに紐づくアイテムや、スタイリングしたフォトシューティングを不定期ながらコラム形式にてご紹介。

 


衣替えの重要性

いよいよ10月がやってきた。思えば春は花粉症で頭を抱え、夏は暑さに悩まされた。待ちに待 った秋なのである。みなさんも衣替えに本腰を入れているころではないだろうか?この季節に なると、展示会でオーダーしたもの、新たに買い足したもの、毎シーズン着用するお気に入り のもの…これらを何と組み合わせようかと、想像をめぐらすことが楽しいものだ。

さて、ここで表題に戻る。衣替えとは、今現在の自分の持ち物を確認することができる絶好の 機会だ。整理整頓し、持ち物を把握することで不必要にものを増やすことを防げるのである。 20代のころはあれもこれも溜め込んでは結局着用しなかったりと、ワードローブのローテーシ ョンが上手くなされていなかった。しかしながら、ここ数年において、ようやく断捨離の精神 が身に付き、やり繰りが上手くなってきた気がする…もとい、はずである…。

さらに、出す方(秋冬物)だけではなく、しまう方(春夏物)も重要である。乱雑にクローゼットに 押し込んで1シーズン放置した結果、次のシーズンで見事に虫喰いにあうという悲惨な結果を もたらした経験に覚えがないだろうか。クリーニングに出すなどしてケアを怠らないことがお 気に入りのアイテムと長く付き合える唯一の手段である。また、クローゼットにはレッドシダ ーを置いておくと良い。抗菌作用があり、防虫効果に優れているため、クローゼットの防虫や、 靴などの消臭にも役立つのである。

 

それから、衣替えというと服装に限定される方も多いかもしれないが、実は香水などの香りに もあてはまる。僕自身は、春夏には柑橘系などの爽やかな香り、秋冬にはアンバー系などの深 みや重みがある艶やかな香りを使い分けて楽しんでいる。服装の変化と共に、香水もコーディ ネートする楽しみを是非とも味わってもらいたい。ただし、すれ違った人が振り返るような間 違った臭いだけはやめていただきたい。過ぎたるは猶及ばざるがごとしとは正にこのことである。

 

※本記事はSPIBE(http://spibe.jp/)からの転載となります。掲載されている価格は公開当時のものとなり、現在とは異なる可能性があります。

 


 1985年山口県宇部市生まれ、広島県東広島市育ち。松竹京都撮影所、テレビ朝日にて番組制作に携わった後、2011年よりスタイリストとして活動を始める。2015年江東衣裳を設立。映画、CM、雑誌、俳優・タレント・文化人のスタイリングを主に担い、各種媒体の企画、製作、ディレクション、執筆等も行っている。山下達郎と読売ジャイアンツの熱狂的なファン。

 

Shogo Hesaka “Karnel” Interview :

ファッションという視点から地元を見つめるスタイリスト:部坂 尚吾